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月別アーカイブ: 2025年9月

三笠観光のよもやま話~第14回~

皆さんこんにちは!

三笠観光、更新担当の中西です。

 

~やりがい~

 

団体旅行、教育旅行、インバウンド、MICE。
観光バスは人の移動に「安心・快適・物語」を足すサービスです。
本稿では、いま現場で本当に求められているニーズと、現場のプロが感じるやりがいを、実務ベースで整理します。


1|まず整理:観光バスに求められる基本価値 🧭

  • 安全:無理のない行路、点呼・体調・整備の徹底。

  • 定時性:遅れない計画と、遅れた場合の巻き戻しスキル

  • 快適性:清潔・温湿度・シート・荷物・車内案内。

  • 体験設計:トイレ休憩の質、眺望ストップ、地元食の手配、記憶に残る導線

  • 説明責任:料金の透明性、運行記録、万一の時の対応フロー。

一言でいえば、**「安全×段取り×体験」**の三位一体。


2|発注者・乗客ごとの“リアルなニーズ” 📌

旅行会社・団体幹事

  • 守れる行程表(渋滞リスクを織り込む余白)

  • 料金の内訳・キャンセル規定の明確化

  • 突発時の代替ルート・代替車の即応

学校・教育旅行

  • 安全管理(名簿・点呼・休憩間隔)

  • 班行動/雨天時の代替スケジュール

  • 集合動線駐車枠の事前確保

インバウンド(訪日)

  • 多言語案内・キャッシュレス決済

  • 大型荷物対応・Wi-Fi/USB・写真映えスポットの提案

  • アレルギー・宗教配慮・小休止の頻度

VIP・MICE

  • 秘匿性・定刻性・車両グレード

  • 車内ミーティングや移動中コンテンツの準備

  • ドライバー・ガイドの接遇一体運用


3|“強い観光バス会社”の提供価値(差別化ポイント)🧩

  1. 行路設計のうまさ:走行距離・標高差・休憩間隔・駐車場枠を数字で設計

  2. 代替台本の常備:悪天候・通行止め・体調不良など、ケース別に切り替え作法を持つ。

  3. 清潔と空気質:始業点検に清掃・消臭・換気を組み込み、車内を“居心地の良い部屋”に。

  4. 情報連携:添乗・配車・運転・施設を一つのチャット/台本で同期。

  5. 地域連携:道の駅・観光協会・駐車場管理者と日頃から顔の見える関係

  6. 可視化:レビュー・NPS・遅延・ヒヤリを月次で見える化し改善を回す。


4|“やりがい”はどこに宿る?(役割別)✨

運転士

  • 安全・定刻・丁寧な接遇がその場の笑顔に直結。

  • 難所を滑らかに通過できたときの職人としての手応え

  • 季節や天候を読んでベストな眺望タイミングを提供する喜び。

ガイド/添乗

  • ルートや史跡をストーリーに変える編集力

  • トラブルを前倒しで解決し、**「助かった!」**をもらえる瞬間。

配車・運行管理

  • 交通・気象・施設を織り込んだ行路がピタリと回る達成感

  • 現場の安全と働きやすさを数字で守る誇り。

整備・車両管理

  • 予防整備で故障ゼロを積み重ねる静かな誇り。

  • 新車導入・更新計画で快適性を底上げできる面白さ。

企画・営業

  • “移動×体験”を束ね、記憶に残る一日を設計する醍醐味。

  • リピート・指名が自分の企画の評価として返ってくる。


5|価格ではなく“提案力”で選ばれる:3プランの作り方 💡

  • Good(基本):無理のない行路+標準車両+必須休憩。

  • Better(快適):+ 眺望ストップ・地元スイーツ休憩・車内案内資料。

  • Best(体験):+ 現地ガイド/フォトスポット確保・特別駐車枠・車内ミニ企画。
    → 各プランに到着予定±分・歩行距離・休憩回数・満足度目安を添えると伝わる。


6|KPIで“価値”と“やりがい”を可視化 📊

  • 定時性:出発・到着の遅延率

  • 安全:ヒヤリ件数、違反ゼロ日数、乗務前体調異常の早期検知率

  • 体験:レビュー★、NPS、再指名率、クレーム率

  • 運用:稼働率、直前キャンセル回収率、代替台本の適用回数

  • 働きやすさ:シフト希望充足率、乗務員定着率、表彰件数

数字で語れると、受注も定着も強くなる。


7|“今日から”使えるチェックリスト ✅

受注前

  • 参加者属性/荷物量/体調配慮(高齢者・お子さま)

  • 駐車枠・乗降場所・徒歩距離・トイレ間隔

  • 主要スポットの混雑時間帯と回避案

行路設計

  • 余白(遅延バッファ)15〜20%を確保

  • 代替ルートA/B、雨天時メニュー、フォト代替の準備

  • 眺望・買い物・食事の順番最適化

当日運用

  • 乗降時の声掛けルール(足元・荷物・体調)

  • 車内温度、匂い、ゴミ回収の定時チェック

  • 進捗共有(配車↔添乗↔運転)を定刻に

アフター

  • 走行ログ・遅延要因・レビューを24h以内に回収

  • 施設側へお礼と改善点の共有→次回の予約優先に

 

 


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三笠観光のよもやま話~第13回~

皆さんこんにちは!

三笠観光、更新担当の中西です。

 

~変遷~

 

団体旅行の主役として、高速道路の開通や観光地の整備とともに成長してきた観光バス。
この10年は、安全規制の強化働き方改革による運転者の時間外規制、そしてインバウンド急増という三重の波が業界構造を大きく変えました。以下では、歴史の流れを押さえつつ、現在地とこれからを実務目線で整理します。


1|1990年代まで:団体旅行の拡大と“路線から貸切へ”

  • 高度成長~バブル期にかけて、企業・学校・町内会旅行など団体需要が拡大。

  • 旅行会社の造成商品に合わせて大型観光バスの配備運行ノウハウが平準化。

  • この時代のKPIは「安全に遅れなく運ぶ」——ダイヤ遵守と整備品質が主戦場でした。

2|2000年代:規制緩和→競争激化→安全制度の整備へ

  • 2000年前後の規制緩和で参入が進み、運賃競争が先鋭化。一部では安全投資が後退し、制度的課題が顕在化しました。日本交通政策研究所

  • 利用者が“安全で選べる”仕組みとして、貸切バス事業者安全性評価認定制度(通称:セーフティバス)が2011年度に開始。以後、星マークで安全への取り組みを「見える化」する文化が定着しました。NBA 公益社団法人 日本バス協会

3|2010年代後半:重大事故を受けた規制強化

  • 2016年の軽井沢スキーバス事故を受け、国交省は総合的な安全対策を打ち出し、運行管理体制・監査・罰則などを強化。国土交通省

  • ドライブレコーダー活用の指導・監督義務化(2017年)など、データで運行を管理する方向へ。トキオドール

4|2020–2022:コロナ禍で需要蒸発、制度対応と持久戦

  • 団体旅行・訪日需要が急減。Go To などの政策が議論・実施されつつも、事業者は固定費の圧縮と点検・教育の継続で凌ぐ局面に。J-STAGE

5|2024–2025:観光復活×働き方改革×デジタル運行管理

  • 訪日客数は2024年に過去最高を更新、2025年も最速ペースで伸長。観光・イベント(大阪・関西万博等)の追い風で貸切・周遊需要が再拡大Reuters+1

  • 一方で運転者の時間外労働“年960時間”上限など、2024年4月から自動車運転の業務に上限規制が適用。配車・休息・ダイヤ設計の再構築が必須に。都道府県労働局所在地一覧

  • デジタル式運行記録計の義務化点呼の画像・動画保存など、運行管理のデジタル証跡が求められる流れ(2024年以降順次)。国土交通省

  • セーフティバスも2025年度から審査基準を抜本見直し。安全の“中身”で差がつく時代へ。NBA 公益社団法人 日本バス協会


いま求められる“ニーズ”はこれだ(発注者・旅行会社・訪日客)

  1. 安全の“証拠”
     車両・運転・点呼・整備・教育のデータ提出(ドラレコ、デジタコ、点呼ログ、健康起因対策など)。セーフティバスの星マークは依然強いシグナル。NBA 公益社団法人 日本バス協会

  2. 時間厳守と休息確保の両立
     働き方改革下でも遅れない行程二人体制・配車リレー・余裕ある行路で“無理なく守れる”運用に。都道府県労働局所在地一覧

  3. インバウンド目線の体験
     多言語案内・キャッシュレス・大型荷物対応・トイレ休憩計画。需要波動に合わせた繁閑シフト応援ネットワーク

  4. 環境配慮と快適性
     アイドリング管理・低騒音・室内空気質、車内Wi-Fi・USB・シート快適性など体験価値の底上げ。


現場で感じる“やりがい”はこう育つ(役割別)

  • 運転士:安全運行・定刻到着・接遇でその場の満足を生む手応え。無理のないダイヤ設計でプロとしての誇りが守られる。

  • 配車・運行管理規制順守×遅延最小を両立した行路がハマったときの達成感。データで現場を守り、事故ゼロ・違反ゼロを積み上げる喜び。

  • 整備・車両管理予防整備と故障ゼロでツアーを支える縁の下の誇り。

  • 企画・営業:目的地・食事・体験を束ね、**“今日いちばんの笑顔”**を設計できる醍醐味。


これからの10年:勝ち筋は「安全×人材×需給設計」

  1. 安全の“常時可視化”
     リアルタイムの速度・急操作・休息・ヒヤリハットをダッシュボード化。未然防止を標準運用に。国土交通省

  2. 人材確保=働きやすさ設計
     分割勤務の見直し、宿泊手当、仮眠環境、二人体制のコストを“商品設計”で回収。上限規制時代の等身大ダイヤへ。都道府県労働局所在地一覧

  3. インバウンド対応の磨き込み
     繁忙期の車両・人員確保は、共同配車・応援協定・価格の機動運用で。記録的需要を安定品質で取り切る。Reuters

  4. 商品×運行の一体設計
     走行距離・休憩間隔・渋滞リスクを商品企画段階で織り込み、“守れる約束”だけ売る


実務で使える:ニーズ×やりがいチェックリスト ✅

計画前

運用

  • 点呼(画像/動画)・酒気帯び検知(画像)・デジタコの記録と保存ルールは全員が理解?国土交通省

  • ドラレコのふりかえり会を週次で実施(急ブレーキ・ヒヤリを“学び”に)。

アフター

  • 旅行会社・利用者のレビュー/NPS遅延・苦情・インシデントを突き合わせ、翌月の行路に反映。

  • インバウンドの多言語Q&Aをテンプレ化(荷物・休憩・Wi-Fi・支払い)。


規制は“足かせ”ではなく“品質の言語化”

観光バスは、安全を土台にした体験ビジネス
セーフティバスやデジタル証跡は、品質を“言語化”して信頼に変える仕組みです。
働き方改革で無理なダイヤをやめ、守れる約束だけを売る——それが結果的に評判と単価を押し上げ、
運転士のやりがい(誇り)とお客さまの満足(再指名)を両立させます。🚌✨

 

 


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